またゲームマーケットに出展しました

2017年12月2日、ゲームマーケット2017秋に出展しました。今年の5月に開催されゲームマーケット2017春に続いて2度めの出展です。

 

 
前回初めて作ったカードゲーム『たいへん!くつしたがごちゃまぜになっちゃった』は、子供たちだけでたいくつしのぎに遊ぶことができる簡単なカードゲームをめざしました。これは小学生の息子と未就学の娘の兄妹がふたりだけで新幹線に乗って旅をするさいに遊んでもらえればいいな、と思って温めていたアイデアを形にした物でした。

mizio-s.hatenablog.com


子供たちもすこしずつ大きくなって、兄は中学生、妹は小学生になりました。我が家はみんな謎解きゲームが大好きで、あちこちのイベントに参加したり自分たちで謎をつくって遊んだりしています。子供たちはどんどん知恵がついていて、ちょっとやそっとの謎では満足してくれません。

 

mizio-s.hatenablog.com



二回めのゲムマ出展のさいには、謎解きゲームを作ってみようと決めました。ターゲットはやはり我が家の子供たちです。彼らが解けるくらいの難易度の謎。とはいえ、あまりに簡単すぎてすぐに飽きて投げ出されてしまっては悔しいです。ほどほどに厄介な謎をつくることを目指します。

数ヶ月の試行錯誤の上、なんとかプロトタイプができあがりました。……実はこの時点でゲムマまで一週間を切っている!

f:id:mizio-kamioh:20171201091511j:plain



我が家の面々にチャレンジしてもらいました。ちなみに、小学4年生の娘が1〜2時間ほどで解き終え、すべての謎を解明したわけではないにもかかわらず、きちんと最後の答えにまでたどりついていました。力技(ちからわざ)でもなんとかなるように構成していたつもりでしたので、その点はうまくいったようです。

感想や気になる点をあげてもらって、細かな不備を調整するところまではなんとかできました。ところがその先、印刷と製本をしようと算段していた見積りがうまくいかないことが判明……!

予定していた仕様では製作できないことになってしまったのです。

困ってしまいましたが、ゲームマーケット当日は近づいています。背に腹は替えられません。かなり無理して、なんとかつじつまを合わせて、最後は手作業で製本して数をそろえました。

f:id:mizio-kamioh:20171208144027j:plain



思っていたような見栄えに仕上がらなかったのはとても口惜しかったのですが、自分の見積りの悪さが招いた失敗ですので、誰かに文句を言うわけにもいきません。子供たちは口々に「大丈夫だよ、よくできているよ」と励ましてくれましたが、ボクは低いテンションのままゲムマ本番を迎えることになってしまったのです。

落ちこんだ気分はちっとも上向きにならず、自信の無さははっきりと態度に表れてしまいました。せっかく作った謎解きゲームを堂々とお客さんにお勧めできないという体たらく。うまくセールストークも回せず、自分から「子供用ですから(本格的な謎解きを求めている大人の方には)物足りないかも……」などと口走ってしまうありさま。

まったく酷い状態でした。

f:id:mizio-kamioh:20171208123719j:plain


そんなダメダメな状態で、お客さんがモノを買ってくれるわけないですよね。惨憺たる状態でボクの二度めのゲムマ出展は終わりました。

たまに様子を見に来てくれた家族には「売る気の無さがにじみ出ていた」と言われてしまいました。

f:id:mizio-kamioh:20171208123839j:plain


ゲームマーケット2017秋は、初めての2日間開催でした。12/2土曜日に出展したボクはその日はまったく会場を見て回ることができなかったので、翌日12/3日曜日に再びビッグサイトにやってきて、こんどは一般参加のお客として会場をゆっくり見て回りました。

いやぁ、なんて楽しいイベントなのでしょう!

ぶらぶら歩いて、きょろきょろあたりを眺めまわして、目についた物や楽しそうな物に魅かれて近づいていくと、思いもよらないようなアイデアに満ちたゲームについて熱のこもった説明を聞くことができ、運が良ければ試しに遊ぶこともできる……!

どのゲームも新鮮で魅力にあふれていて、もっと遊んでみたいと感じさせる物で、さらには(2日めともなると)人気がありすぎてもうすでに売り切れてしまっていて買えなくて悔しい思いをするという、そのくり返しです。

いちにちかけて場内を何周も歩き回って、気付くと昨日の売上分をはるかに超える額のゲームをどっさり買いこんでいました。持病の腰痛がひどくて重たい荷物を持ってはいけないところなのですが、そんなこと気にしていられません!


ボクは深く反省しました。

ゲームマーケットに出展する者として、イベント全体を盛り上げるために、自分はもっとできることがあったのではないか、と。

大人げなくもふてくされて、やる気の無さを表に出してしまって、初日の雰囲気を台無しにしてしまったのはほんとうにいけないことだった、と。


ゲームマーケットに来ている人はみんなゲームが好きな人ばかりです。新しい発見や新鮮な驚きや味わったことのない感動を求めて、貪欲に会場を歩き回っています。

作り手が尻ごみしていては、お客さんが楽しいはずがありません。沈みがちな気持ちを奮い起こして、楽しみたいと前向きな気分で来てくれた人たちに精一杯サービスし、プレゼンすべきでした。ボクがしくじってしまって憂鬱な気分であることなんて、お客さんにはなんの関係もありませんもの。

楽しいゲームが山ほどある中のほんの一角として、自分もイベント全体に前向きに貢献する必要がありました。売れなくても、未熟なプロダクトを鼻であしらわれても、笑顔でいるべきでした。

2日めのゲームマーケット会場を回りながら、前日の自分を恥じていました。2日間開催になってくれて、お客の立場からブースを客観的に眺めることができるようになって、遅ればせながらようやく気付くことができました。


ボクはせっかく楽しみにきてくれていたお客さんに対して、やる気のない態度や表情で接してしまい、とても失礼なことをしてしまいました。ここで謝っても当日不愉快な気分になったかも知れない方々に届くわけではないのですが、深く反省しています。

次のゲームマーケット2018春は、2018年5月5日〜6日の予定です。GWは本業がぶつかってしまうので、出展できるかどうかまだわかりません。

でももしもう一度出させてもらえるのなら、次はけっして同じような失敗はしません。作ったゲームがちっとも売れないという失敗はたぶんこれからも何度もくり返すでしょうけど、楽しい雰囲気をぶちこわすような失礼な恥ずかしい態度はとりません。

ボクがゲームを作ろうとしたそもそもの動機は、自分の子供と遊びたいからでした。大人の自分が仏頂面では子供が楽しい気分になんてなれませんよね。子供を楽しませたければ、率先して自分が楽しんでいるさまを見せなければなりませんよね。

そしてその思いが拡大して、子供たちにむけてどんなゲームがあれば楽しんでもらえるか、という壮大な課題に挑んでいます。まだちっとも正解は見えていません。作ってみたいゲームのアイデアはまだいくつもあります。


機会があれば、またゲームマーケットに出展させてもらいたいと思っています。