ゲームマーケットに出展しました

2017年5月14日、東京ビッグサイトで開催されたゲームマーケット2017春に出展しました。

 

 

くつしたゲームズ | ゲームマーケット

くつしたゲームズ「たいへん! くつしたがごちゃまぜになっちゃった」

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ご来場いただいたみなさん、興味を持っていただいたみなさん、そしてご購入いただいたみなさん、ほんとうにありがとうございました。とても嬉しかったです。

 

www.tokyo-np.co.jp

なんと、来場者13,000人!

会場は通路が広くて、息苦しさを感じることはありませんでしたね。自分たちは初めての出展でしたので、売れ行き・評判とも想像していたとおりの結果におわりました。今後にむけての努力目標がたくさんできましたね。あまり気負わず、マイペースでやってゆきます。

 

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ゲームマーケットに(客として)初めて訪れたのは2013年春。もうずいぶん前になります。会場がビッグサイトに移って行きやすくなってからなので、浅草時代は体験していません。

もともとアナログゲームは大好きでしたが、ゲームマーケットにはあまり興味がなくて、もっとマニアックなイベントだろうと思っていました。ところがゲームマーケットの会場に足をふみいれてみると、予想以上にフレンドリーな雰囲気でもりあがっており、ひとくちにアナログゲームといってもさまざまな種類があるのだと思い知らされ、裾野の広さにドギモを抜かれました。

当時まだ小学3年か4年生だった息子といっしょに行ったのですが、初めてのゲームマーケットにボクも息子も大興奮でした。試遊では息子は大人の人たちに混ぜてもらって、いっしょにゲームで遊ばせてもらいました。初めて会った知らない大人と物怖じせずにゲームする息子の姿がとても新鮮でした。

会場をあとにして帰宅する道すがら、どんなゲームが欲しいか・自分たちならどんなゲームを作れそうか、ふたりで夢中になって話しました。

その時から「いつかは自分たちもオリジナルのゲームを作って出展しよう!」と約束していたのです。


ずいぶん時間が経ってしまいましたが(息子ももう中学生になって!)、ようやく出展する側になって参加することができました。感無量です。

 


 

どんなゲームを作ろうかをずっと考えていて、出展が決まった当初に予定していたものは、魔女とお姫様が呪いを巡って対決する内容でした。かなりややこしいルールのゲームで、条件や制約も多く、初めて自作するにしてはちょっと手に負えないところがありました。

そこでいろいろ考えなおして、最初に作るのはもっとずっとシンプルな内容へと方針変更しました。

個人的に思うところがあり、まず始めはご挨拶というか義理を果たすというか、「ゲームに対する恩返し」をしようと思ったんです。


「たいへん! くつしたがごちゃまぜになっちゃった」は、カードに書かれた指示に従って山札をめくってゆき、左右のくつしたをそろえるゲームです。

ルールを読んで、いったんプレイしてみればすぐに分かるのですが、このゲーム、ほとんどまったく考える必要がありません。プレイヤーがうまくゲームを展開させるために判断したり悩むところがないんです。配カードまかせ・シャッフルの運まかせ。

「たいへん! くつしたがごちゃまぜになっちゃった」にはゲーム性はありません。ゼロなんです。

 


 

我が家には子供がふたりいます。兄と妹。歳は4つ離れています。

今は中学生と小学校高学年になりましたが、数年前、まだふたりとも小さかったときに、子供だけで新幹線に乗せて田舎のおじいちゃんおばあちゃんのところへ旅をさせたことがありました。

親も不安でしたが、子らも初めてのふたり旅でさぞ不安だったでしょう。道中のひまつぶしに漫画本やシールブックなどを与えて、駅のホームから窓越しに発ってゆくふたりを見送りました。

子供だけで数時間の往復鉄道旅行は大過なく済みましたが、あとで話を聞いたところ、やはりふたりともすぐに本を読むのに飽きてしまい、ふたりでなにかして遊ぼうにも列車の座席に座ったままできることは限られているので、しりとりなどをしてもいまいちもりあがらず、とてもたいくつだったとのこと。

トランプやオセロを持っていかせることも考えていたのですが、4つも年の差があるとゲーム勘にもずいぶん差があり、兄がボロ勝ち・妹が負け続けになって泣き出し、険悪な状態になりかねません。

また、当時子らふたりが知っているトランプ遊びはババ抜きくらいしかなくて、ふたつ並んだ座席で上体を斜めにして向かいあい、互いに手元を隠しながら勝負するのが難しかったということもありました。

 

子供がふたりだけで新幹線や飛行機に乗って長い時間すごすときに遊ぶことができるようなゲームを作ろう。

これが目標になりました。


(1)小さな子供がババ抜きをすると、手元に扇状に広げて持ったカードを相手から見えないように隠して持つことがうまくできません。「見えちゃうから隠して!」と何度も注意するのですが、ゲームに夢中になるといつのまにか丸見えになってしまいます。ババ抜きで手元のカードを相手に見せていたら、勝てるわけがありません。だからまず、カードを隠さなければならないというのを止めました。お互いにカード丸見えの状態で遊ぶことができるようにします。


(2)互いのカードが表向きになって見えているのですから、手に持って扇の形に広げる必要もありません。あの持ち方は子供にはむずかしいようなので、カードは手に持たないことにします。新幹線や飛行機の座席は横並びになっていて、前には小さなテーブルがありますので、カードはふたりの前のテーブルの上に山にして表向きに見えるように置くことにします。

 

(3)そして(ここがかなり重要な点ですが)子供はけっこう勝敗にこだわります。ゲームに負けると悔しくて泣くんです。子供ふたりで旅をさせているのに、どちらかひとりが泣いてしまっては、いろいろ面倒なことになります。ですからそれを避けるために、勝敗にこだわらなくてもすむような内容にしようと決めました。

 

これでゲームの準備はできました。

 

あとはこの条件を満たすようにストーリーをつけてデザインするだけです。

 

最初は、カードの山をめくって=掘っていって、地中から宝石を発見するゲームでしたが、子供たちにより身近なモチーフでねり直して、くつしたをそろえるストーリーに変更しました。

試行錯誤を経てようやく完成したのが「たいへん! くつしたがごちゃまぜになっちゃった」です。

あれこれ考えているうちに、我が家のふたりの子供もすっかり大きくなりました。複雑なルールも理解できるようになり、負けたからといって泣きわめいたり拗ねたりすることもほとんどなくなりました。

そして、ちょっとくらいたいくつな時間があっても、それぞれじょうずにひまつぶしすることができるようになりました。

 

今回ゲームマーケットに初出展するにあたって、子供たちがゲームのモニター役を務めてくれました。彼らの意見をとり入れたり、ボクの思いを伝えたりして完成したゲームを、ふたりは「おもしろいよ!」といって遊んでくれました。

 

……でもちょっぴり物足りなさそうでもありました。

 

そりゃそうでしょうとも。もっと小さくて、もっとわがままで、もっとヘタクソだった君たちのために作ったゲームなんだから。

 

君たちのたいくつに、たいへん! くつしたが……、ちょっとは役に立ってくれたら嬉しいなと思います。

 


 

次回以降のゲームマーケット出展はまだ未定ですが、今回つくったゲームの在庫もまだあるので、できればまた出たいと思っています。

 

ちなみに、大きくなった子供たちは父ちゃんのゲムマ初出展姿を見て、それぞれ改善案を出してくれました。

 

9歳娘

「机の上にゲームが置いてあるだけで殺風景。もっとお店を飾らないとダメ。あと、ゲームの在庫がきれいに山積みになっていると、まったく売れていない=不人気ってイメージになるから、ちょっと山を崩して、たくさんの人が手に取っているように見せかけなきゃダメ!」

 

13歳息子

「ゲームが1種類しかないのは淋しい。スペースの都合で試遊できないのはしかたがないけど、試作品とかサンプル品とか構想中とか、いろんなゲームがありますよってしたほうがいい。次に期待してもらえるようにしないと!」

 

……なんかもう、ふたりともグウの音も出ないくらいド直球の正論ダメ出しで、父ちゃんはありがたく拝聴いたしましたよ。

 

育ったなぁ……!

 


 

 HABAをイメージしたレモンイエローの箱でした。

 

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