サドルのない自転車
サドルのない自転車が気になってしまうので、集めている。
※サドルというのは、自転車の椅子の部分。お尻を乗せて座るところのことです。
本物の自転車のサドルが抜きとられているのではないのだ。
こういう↓ピクトグラムの自転車のサドルがないやつのことだ。
「え? どこがおかしいの。ちゃんとした自転車じゃん」
……と感じた人は、もう一度よぉく見てください。
サドルがある。
サドルがあるね。
ほら、ちゃんとサドルがあるのだ。
でも……、
サドルのない自転車……。
サドルがない……。
サドルはいずこ……。
サドルがないよぅ……。
あっち←に行けば、サドルが見つけられますか……。
区の条例によりサドルが撤去されたのですか……。
サドルを引き取りに行きます……。
英語も中国語もハングルもあるけど、サドルはないんですね……。
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どうしてサドルのない自転車が頻出してしまうのか。
それにはいちおう原因がある。
経産省により自転車のピクトグラム(案内用図記号)として定められているもの[JIS Z8210]が、この形状なのだが、サドルだけ別パーツになっているのだ。
デザイナーさんがレイアウトするときに、うっかりこのサドル部分を落として(コピーしわすれて)しまうことがあるのだ。
そうすると、こんなふうにサドルのない自転車になってしまう。
ドローンもザリガニもキックスケーターもしっかり描いてあるのに、サドルはない。
駐輪場もございませんが、サドルもございません。
自転車も禁止、サドルも禁止。
上はサドルなし、下はサドルあり。
オートバイにサドルあり、自転車にサドルなし。
もう「駐輪したらサドル盗るぞ!」という脅しにしか見えなくなってきた。
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JIS規格で定められているピクトグラムの自転車からサドルが脱落してしまうのはまだ理解できるのだが、いろいろ気になりだすと、ほかの自転車にも目がいってしまうのだ。
このぬるーんとした自転車(とPOP体の「駐輪禁止」)、あちこちで見るのでルーツは同じなのだろうが、サドルがないのよね……。
フレームが車軸まで通っていないのがカッコいいアレンジで、サドルがないのもアレンジの一環ということだろうか。
こちらもちょっとオシャレにするために、わざとサドルがない自転車にしている可能性もあるが、でもやっぱり変な感じ……。
ストライダー(子供用ランニングバイク)っぽいが、ストライダーはペダルなしでもサドルはあるから。
フレームの支柱だけ残っている! サドルを盗られている!
前輪と後輪がつながっちゃってるので曲がれない。
自転車の起源はこんな感じのフレームだったような気がして調べてみたが、さすがにそこまで理不尽な構造ではなかった。
こういうありえない自転車の絵を描いちゃううえに、サドルもない。
すなわち、自転車に対する敬意がない。
髪の長い人が両手両足で車輪をはさんでいるように見えませんか。見えませんか……。
車椅子……? 自転車ってなんだっけ……。
ゲシュタルトどんどん崩壊しまくり。
「LOO」という絵文字かと。
こっちは「GOO」。
「あー、またサドルがないねー」
と思って看板全体をよく見たら、「けんいん」「法人の利用」欄にはサドルありのJISピクト。
これは判断に迷う。
わざとサドルを省略しているようにも見える。
いちばんのお気に入りはこちら。
立体的に自転車を浮かしてあるのだが、壁に跡が残っていないので、サドル部分だけ取れてなくなってしまったというわけではないのだ。
サドルなんて最初からなかったんだぜ……。
サドルがなければ、ブロッコリーを乗せればいいじゃない(というのも古いネタだねw)。